2016年11月の記事 (1/2)

実はICEEは怖くない?! 午前の部の実態

先日、11/27(日)には、毎年恒例の英語交流&競技イベント「ICEE」(アイシー)に参加してきました。

ICEEは、午前の部(予選)と午後の部(本戦)に分かれています。

午前の予選は別に怖いものでもなく、非公開の実力判定テストです。
一方、午後の本戦はトーナメント形式の真剣勝負で、見学者にも公開されるため、怖いと言えば、怖いかもしれません。

どうしても午後の本戦のイメージが強いため、「ICEE=怖いもの」と思われがちですが、午前の予選の実態はその印象とはかなり異なるものだったりします。

今年は、過去最高の70名弱がエントリーされ、7~8名✕9グループでの予選となりました。

ICEE2016ジャッジたち
松本道弘先生による挨拶とネイティブジャッジの自己紹介


午前の予選では、参加者が一人ずつパーティションの裏にいるネイティブジャッジの前で英語を話すタスクをこなし、実力を判定してもらいます。

完全に個別で行う実技が3つ、グループのメンバーとペアで行う実技が1つ、グループ全体で行う実技が1つの、計5つ全てを全参加者が行います。

具体的には、2つの1分間スピーチ(他人紹介、即興スピーチ)、10秒毎に矢継ぎ早にされる、計6個の質問に1分間答え続ける種目(Critical Response)、Whyという質問にBecauseで答えるやり取りを2分ずつ交互で行う種目(Why-Becauseゲーム)、最後に、同じグループのメンバーと輪になって、あるお題についてディスカッションをする種目があります。

ICEEには近寄り難いイメージがあるかもしれませんが、午前の部の雰囲気を一言で言うと、「和気あいあい」です。

ICEE2016予選 (720x784) (588x640) (276x300)
午前の部の様子


ネイティブジャッジが、参加者一人ひとりの英語力(発音や文法の正確性、語彙力など)や知識、コミュニケーション能力(瞬発力、機転、発想力、ユーモア、説得力、論理性などを含む)を厳密に測定し、その総合点が高かった上位24名が午後の部へと進みます。

ちなみに、後日このようなスコアシートが届きます。(48というのは、昨年の参加者数です)

ICEE2015スコアシート (816x689)
2015年ICEE午前の部の僕のスコアシート


ICEEが他の検定試験と決定的に違うのは、自分の番を待っている間に、同じグループの参加者たちと交流する時間がたっぷりあるという点です。

10:00から12:20までの午前の部の間、実際に実技を行っている時間は、1分間スピーチ2本の4分(それぞれ考える時間が1分与えられる)と、Critical Response(矢継ぎ早に質問に答える)の1分、Why-Becauseゲームの4分(質問をする方と答える方で2分ずつ)、ディスカッションが15分の、計24分くらいです。

司会者やジャッジが英語でする説明や実演を聞いている時間が30分くらいあるとしても、1時間くらいは同じグループの参加者たちと和気あいあいと交流する時間になります。
(その間に、参加者は順番に実技を行います)

自分の番の直前にはちょっと黙り込んだりしますが、まだ余裕があるときには、左右、前後の人と談話したりして、親睦を深めることができます。
(日本語になることもありますが、ウォーミングアップも兼ねて、なるべく英語で話そうとする人が多いです)


今回、僕が入っていたグループはレベルが非常に高く、全員が英検1級超くらいの実力者だったため、正直かなり焦りました。

「やべぇ、下手すると、今年は午前の部で落ちるかも」と本気で思いました。
(今後、ICEEの参加者の数とレベルがさらに上がるにつれて、午前の予選を突破することが最大の難所になっていきそうです)

とは言っても、他の参加者たちをライバル視するようなことは全然なくて、「みんなで午後の部に残りましょうね」(Let’s all advance to the afternoon session.)と呼びかけたりしていました。

しかし、全体で70名ちょっと参加者がいる中で、その3分の1の24名しか午後のトーナメントには残れないわけですから、同じグループから7名全員がその24名に入れる可能性はかなり低く、事実、僕のグループから予選を突破したのは3名だけでした。

全員が午後の部に進むのに値する実力をお持ちだったので、今回はあり得ないほどシビアな予選となりました。

午後の部が12:20に終わった後には、1時間ほどランチタイムがあり、音楽のパフォーマンスや英語による講演などが行われます。
(その間に、午前の全参加者のスコアが集計され、上位24名が決定されます)

この頃、見学者が続々と来場されます。
そして、いよいよ24名の進級者(survivors)が発表されます。

ICEE進級者発表
ドキドキの進級者発表の瞬間


基本的に、ICEEで問われているのは英語力だけではないため、午後の部の24名に残った何人かは、残らなかった何人かよりも、英語力においては劣るという現象が毎年よく見受けられます。

しかし、今年のICEEのsurvivorsに限っては、英語力が群を抜いている人が多かったという印象でした。

特に今回は初参加の若い方々が目立っており、国内トップレベルの英語力を持つ高校生、大学生が7名くらい勝ち進んでいました。
(もう脅威とかではなく、「あ、普通に自分より英語が上手いんだな」って感じです)

僕自身は、なんとか午後の部の24名に残ることができ、最初のディベートは突破して、次の同時通訳に進む12名には残ることができましたが、今年はそこで敗退となりました。(詳しくは、また別の記事で)


「自分にはICEEはまだ早い」と思われている多くの方々は、そんなに心配されなくても大丈夫かもしれません。
というのも、午前の予選を突破し、午後のトーナメントでディベートや同時通訳をさせられる可能性はかなり低いからです。

ICEEがどんなに怖いと言っても、午前の部だけの参加で、午後のトーナメントに進む24名に残らなかったとしたら、それほど緊張もしないですし、恥をかくこともありません。

そして、スピーキングの練習をしている人の中で、「自分にはICEEの午前の部はまだ早い」という人は、ほとんどいないと僕は思っています。

午後の部に進める実力がまだない場合には、自動的に、「午前は参加、午後は見学」ということになります。

しかし、実際、予想通り午後の部に進めなかったとしたら、そのことにホッと安心する一方で、「やっぱり予選突破して本戦に進めるくらいの実力をつけたい!」と強く思う人が圧倒的に多いと思います。

「実力不足」という刻印を押されると、純粋に悔しいという気持ちになるものだからです。


また、自分の英語力がどうなのかということだけでなく、全国から集まる英語の使い手の人たちの実力を生で垣間見ることができることは大いに刺激になりますし、それを見て、「今後どのような英語力を身に付けていきたいのか?」ということを深く考えるきっかけにもなります。

僕自身、毎回凄い人たちの実力を目の当たりにして、「自分ももっと頑張らなきゃ」と奮起するために参加している部分があります。

そして、ICEEから得られる一番大きな収穫が、真剣に英語やコミュニケーションを学ぶ「レア」な人達と出会い、友達になれることです。

同じように英語習得に情熱を燃やし、このような大会に挑戦する勇気のある人たちが一同に集結する機会というのは他にはありません。

英語界で有名な方々とも、直接お話して、普通に親しくなれたりします。

ICEE2016with田村さん安河内さん
2015年優勝者の田村さん(真ん中)と2014年優勝者の安河内先生(右)


前から知っている人たちとさらに親睦を深めるとともに、毎回、貴重な新しい出会いがあります。

僕を含め、多くの経験者が、「ICEEに来る人はみんな仲間」という意識でいるので、初参加される人も全然心配しなくて大丈夫です。
みんながその勇気を称え、温かく迎え入れてくれます。

Jet Bullさんとも2年前のICEEで初めてお会いして、意気投合し、一緒に澤トレを書くことになったというエピソードがありますw

ICEEのような場所でしか出会えない、このような仲間たちとの繋がりは、一生涯の財産になっていくものだと思います。


実は今回、ICEE前日の澤田塾の授業で、参加しない生徒さんにも、午前の部でやる実技を体験してもらいました。
すると、「実際にやってみると、すごく楽しいですね!」「これなら自分も午前の部だけは参加できそうです」「こういうことをやるとわかっていたら、参加申込していたかもしれません」という声が多く聞かれました。

例えば、1分間スピーチの一つ、「他人紹介」では、歴史上の人物に加えて、旬な有名人がよく出るので、ドナルド・トランプと小池百合子を紹介してもらうというタスクをいきなりやらせてみました。(澤田塾では、よくこのような無茶振りをします)

すると、あまりうまく説明できなかった人も、「すごい難しいけど、楽しい!」「うまく説明できなくて悔しいので、もっとこういうことができるようになりたい!」と目を輝かせていました。

Why-Becauseゲームは、一度日本語でやってもらった後に、英語でやるようにすると、コツがわかって、より楽しめたりします。


このように、実際にICEEで行うタスクを一度体験してもらうと、印象がかなり変わるということがわかりました。

また、ICEEのそれぞれのタスクはとてもよく練られていて、英語力を測るだけでなく、英語力を伸ばすためにも非常に有益なので、「年に一度ICEEの本番だけでやるのはもったいない」と感じています。

それは、午前の予選で行うタスクだけでなく、午後のディベートなどでも同じです。
「私にはディベートなんて無理!」と決めつけてしまう人が多いですが、普段そういうこととは無縁な人に実際にICEEディベートを体験してもらうと、「思っていたイメージと違う」「予想していたよりも全然面白い!」という感想が大多数でした。


午後の部に進む実力があるかどうかに関わらず、ICEEディベートの面白さを知ってもらって、「これをICEE本番でやるために、午後の部に進む実力を付けたい!」と思ってもらえたら理想的です。

あるいは、ICEEに出る、出ないに関わらず、純粋に英語でできる楽しいアクティビティーとして、より多くの人にトライしてもらえたらとも思います。

今後は、ICEE直前だけでなく、定期的にICEE体験会や練習会を開催して、参加者の裾野を広げていきたいです。


今回の記事では、「ICEEは気にはなるけど、ちょっと怖くて」という方向けに、午前の部(予選)の実態について詳述しましたが、次の記事では、午後の部(本戦)の様子と、僕が得た気付きと学びについてシェアさせていただきます。

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