「TOEICの勉強をしても英語力は上がらない」は本当か?

*以下の記事はあえてちょっと毒舌調で書いていますので、ご了承ください。

ご存知の通り、僕が主宰するTOEICスクール「澤田塾」では、「スコアアップ」と「使える英語」を同時に達成することを基本理念としています。

「使える英語」というのはちょっと曖昧な表現ですが、具体的には、「実際の英語の運用能力」、つまり、「どれくらい英語を話したり、書いたりすることが出来るか」ということです。

また、「使える英語」というのは、スピーキングとライティングといった発信能力だけではありません。
実用的な受信能力(リスニングやリーディング)のことも指します。

スコアを上げるためだけのテクニックを使ってTOEICの勉強をしていると、
十分なリスニング力やリーディング力すらも身につかなくなってしまうことがあります。

例えば、リスニングセクションのパート2で、「冒頭の疑問詞を聞き取ることに集中する」というテクニックを使って勉強している人は、”Where xxxxx?” “When xxxxx?” “Who xxxxx?”という聞き方になっているので、全文を聞き取る力が身に付きにくくなってしまいます。もちろん実際に外国人とコミュニケーションを取る際には、疑問詞だけ聞き取ればいいという状況はほとんどありません。当然、全文を聞き取ることが求められます。

リスニングセクションのパート3、4では、「リスニング試験なのにリスニングをしていない」という最大の矛盾が生じています。具体的には、「放送文を聞きながら選択肢にチョンする」解き方をすることによって、注意が散漫になり、「英語を集中して聞く」能力が向上しにくくなっています。つまり、実際の場面で求められる聞き方と、TOEICの試験での聞き方が違ってしまっているのです。その結果、TOEICのリスニングで高いスコアを持っているにもかかわらず、「本当はあまり英語が聞き取れない」という人がたくさん生まれてしまっています。

また、パート5では、時間短縮のために、「空欄の前後だけを読んで解答する」というテクニックがあります。確かに簡単な品詞問題やboth A and Bとかeither A or Bのような問題は全文を読まなくても正解できます。

ですが、そもそもこんなズルみたいなことをしなければならないほどに、パート5のそれぞれのセンテンスを全文読むことは大変なことでしょうか? 全文読むのに5秒、10秒かかってしまう人は、そうした方がよいかもしれませんが、2~3秒で読める人が空欄前後だけを1秒で読んで、1~2秒節約することにどれだけの意味があるのでしょうか?  

問題によっては、全文読まなければ解きにくいものもあるので(特に語彙問題)、この解き方では正答率も頭打ちになります。

さらに、僕が一番問題だと思うのは、空欄の前後だけ読むという「せせこましい」解き方に走ってしまう精神構造そのものです。ちゃんと英語力を上げて、全文をササッと読めるようになってしまえば、こんな「いかさま」テクニックに頼る必要はありません。逆に、このようなテクニックに依存してしまうと、「英文を速く読めるようにならなければいけない」という意識が育たないため、TOEICで求められる高速処理能力が向上せず、伸び悩みの大きな原因になります。

パート5と同様の問題がパート7でも生じます。「設問を先に読んで、該当箇所を探しながら読む」というテクニックを使ってこのパートに取り組むと、実用的なリーディング力が身に付きません。「最初の設問を読んだら、本文をちょっと読んで解答を選ぶ、次の設問を読んだら、本文の続きを読んで。。。」というように、設問と本文を行ったり来たりする解き方です。

こんな読み方は現実的にはしないので、このような解き方によって得られた「なんちゃって」リーディング力は、実際に仕事などで英文を読むときにはほとんど役に立ちません。つまり、このような方法でパート7の問題を解いていると、非実用的な、現場では役に立たないリーディング力が身に付くことになるわけです。

実際の現場では、なるべく短時間で全文をサッと読み切ることが求められます。そして、そのような読み方をTOEICの問題を解く際にも実践すべきなのです。このような正攻法はあまり流行ってなさそうに思われるかもしれませんが、「全文ベタ読み」という名称で、TOEICerの間でも人気が高まっているそうです。

このように、問題の解き方によって、獲得できる能力が違ってくるわけです。

「TOEICの勉強をしても英語力は付かない」と主張する人がいますが、実際にこのような解き方をしていたら英語力は付きにくいでしょう。

だから、「英語力が付く」=「実際の現場で必要とされているスキルが身に付く」ような解き方でTOEICの勉強をする必要があると思うのです。


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