TOEIC対策にTOEIC教材以外のモノを使うのは「異端」か?

前回の記事では、「TOEICの勉強を通じて、スコアアップ対策をしながら、使える英語を身に付ける」ことを提唱している自分は、本当に「TOEIC界の異端児」なのか?ということについて検証しました。
「僕は本当にTOEIC界の異端児なのか?」

実際、他に何人ものTOEIC講師や著者が同じようなことを言っているので、特に僕だけが「異端」というわけではないというのが結論でした。

ですが、この記事で僕がこれから言うことは、やはり現状では「異端」であると見なされても仕方ないかもしれないと自分でも思っています。(それでも、提唱するのですが)

僕自身は、TOEICで高スコアを出す過程において、実は公式問題集のVol.3と4以外はほとんど何もやっていません。(当時はまだVol.5はありませんでした)

僕がリスニングの勉強としてやっていたのは、ラジオ講座「やさしいビジネス英語」を毎日聞くこと(これはリーディングの対策にもなります)、ドラマ「Friends」を全シーズン見ること(英語字幕で見る→字幕なし)、それと、ニュースの英語を聞くこと、でした。

これらの勉強によって、「英語を聞く力そのもの」を鍛えていましたので、TOEICのリスニング問題を解くときには、「あ~、聞こえる、聞こえる」「ふだんの自分の努力は正しかったんだなぁ」という感じでした。

TOEICのリスニング対策としてやったことと言えば、公式問題集を使ってパート3と4の解き方を確認することぐらいでした。つまり、他にもTOEICの問題集を買ってやったりすることは一切なかったわけです。

リーディング対策としても、公式問題集で時間配分を確認するぐらいで、特に他のTOEICの教材を使うことはありませんでした。

駅のキヨスクでDaily Yomiuriを買い、電車の往復で1時間くらい読んだら、最後は最寄り駅のゴミ箱に捨てて帰るということを日課にし、小説などの洋書を多読(1000語程度の短くて簡単なものから、5~10万語のペーパーバックまで)しただけで、TOEICのリーディングセクションを解き終わるのに必要な「速読力」「高速処理能力」の下地は出来上がっていました。

これだけで、リーディングセクションで450点くらいは取れるようになっていました。
(ただ僕の場合は、大学受験時に英文法の勉強をみっちりやったバックグランドがあったため、元からパート5の正答率はかなり高かったです)

僕はこのような方法で自分が勉強してきたため、「TOEICで結果を出すためにも、TOEIC教材以外のモノを使うことは有効である」という考えを持っています。

実際、少なく見積もって8割くらいのTOEIC満点講師たちは、TOEIC教材以外のモノを使って英語力を伸ばし、高いスコアを取得したのではないかと思います。

990点をコンスタントに取れる実力がある人で、ひたすらTOEIC教材を使う(問題集や模試を何十冊、何百冊も解く)ことだけをやってきたという人は、むしろ少数派です。
(少なくとも僕の周りでは)

ですが、どちらが世間一般的に「TOEIC学習の王道」と見なされているでしょうか?

やはり、「TOEICでスコアアップしたいのならば、TOEIC教材だけを使って勉強するべきだ」と考えている学習者が大半ではないかと思うのです。

講師としては、立場上、「TOEICの教材(だけ)を使って、その中で学んだこと(だけ)をしっかり身につければ、必ずスコアアップ(だけ)は達成できます」と言わざるを得なかったりします。
↑(だけ)という言葉は決して言いませんが、言外に含まれています。

実際に自身がスコアアップしてきた過程では、TOEIC教材はあまり使わず、英語力を上げるために他のことに取り組んできたとしても、やはりそこは、TOEICを教える者として、「本音と建前」を使い分けなければなりません。

「私はTOEIC教材なんてほとんど使いませんでしたけど」などとはなかなか言えないわけです。

もちろん、僕自身、学習者としては、違うスタンスだったとても、指導者としては、TOEIC教材だけを使ってスコアを上げる方法については熟知しているつもりです。

澤田塾でも、これまでTOEIC教材以外のモノを使うことに関しては、あまり積極的に提唱してきませんでした。

というか、実際には提唱してきたのですが、「受け入れられなかった」あるいは「プログラムには組み込めなかった」と言った方が正しいかもしれません。

「公式問題集や金のフレーズの英語を自分でも言えるようにすることによって、スコアアップだけでなく、使える英語も身に付ける」という方法には、ほとんどの受講生が賛同してくれています。

ですが、「TOEIC教材以外のモノも使って勉強した方が、逆にTOEICでも結果を出しやすくなる」という考えは、たとえ頭では理解できても、なかなか実行できないものです。

実際、澤田塾生の中でTOEIC教材以外のモノも使って勉強している人の割合は、700点台以下の人ではほぼ皆無です。
(800点以上の人だと半分くらい、900点以上の人だとほぼ全員ですが)

おそらく、「800点取れるまでは、TOEICの勉強だけに集中したい」ということなのでしょう。

したがって、この考えは、上級者の間では「当たり前」になっているですが、初中級者の間では「異端」と見なされやすいようです。あるいは、単に「余裕がない」ということかもしれません。

ですが、TOEICの勉強をしながら、それ以外の教材もうまく取り入れた方が、700点台から800点台に伸ばすこともより容易になるというのが、僕の考えです。

そして、この意識改革こそが、澤田塾で次に目指しているイノベーションなのです。

具体的には、海外ドラマを使ったDVD学習(「デスパレートな妻たち」がお勧め)と易しめの洋書の多読を取り入れることです。

特に、「デスパレートな妻たち」(通称「デス妻」)を活用することに関しては、Twitterで積極的に発信していますが、今後はブログの方でもまとめていきたいと思っています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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コメント

No title
はじめてコメントさせていただきます。

記事を拝読して共感する部分が非常に多くありました。
私自身も英語を長い間学習してきましたが、確かにTOEICで高得点を取るのに特別TOEIC対策はしてきませんでした。
単純に単語暗記と音読を軸に英語力そのものを高めて取ったため、満点初取得当時はTOEICに使えるコツなどはほぼ知りませんでした。先生と同じくテレビドラマも多く見ました。

今では私も他人様に英語を教えるまでになりました。おこがましいかもしれませんが、お気持ちが非常によくわかります。
「私はTOEIC教材なんてほとんど使いませんでしたけど」というセリフ、何度のど元まで出てきたことでしょうか。

ただ一方で、自分自身がしてきた英語学習がTOEICスコアアップのために効率的であったかどうかはいまだによくわかりません。もしかしたら英語学習に費やした時間と労力をTOEIC教材を使う学習に充てていればもっとはやくに満点を取れていたかもしれません。

そのように考えてみると、TOEICに出てこないような単語やフレーズ、スラングを覚えたり、それらが出てくるドラマを見ること“それ自体”はスコアに直接関係してこないはずです。それに伴う英語学習の活動(英語を大量に聞く経験や、フレーズや単語を英英辞典で調べたり、関連ウェブサイトを英語で読むことなど)を通して英語力が上がり、結果TOEICでも良いスコアを取れたのだと思います。
TOEICのスコアアップだけを目指しているのであれば、これは若干遠回りなのではないかとも思うのです。
ただ、私の場合はTOEICだけを学習していたらおそらくそこまでの労力は使えなかったでしょう。TOEICに特化しなかったからこそ英語自体が好きになれたのだと思います。

>TOEIC教材以外のモノも使って勉強した方が、逆にTOEICでも結果を出しやすくなる
という考えに対する私の考えですが、単純にTOEICだけのことを考えて学習していけるだけのモチベーションがある方ならばTOEIC教材だけ使った方が効率はいいと思います。ただ現実的にそのような鉄人のような方は珍しいと思いますから、TOEIC教材以外も使った方が英語学習を継続しやくなり、結果「好きこそものの上手なれ」という言葉どおり、さらに英語が上達し、高得点も取りやすくなるのではないでしょうか。
(これは先生のおっしゃる「TOEICの勉強をしながら、それ以外の教材もうまく取り入れた方が、700点台から800点台に伸ばすこともより容易になる」という点等と合致しないと思いますが、決してその考えがよくないと申し上げたいわけではありません)

私はまだまだTOEICスコア、英語力アップの良い方法を模索している段階で、的外れなことを言っているかもしれませんがご容赦ください。

長文大変失礼しました。
今後も先生のブログを参考にさせていただきます。
Re: No title
Red Bullさん

コメントありがとうございます!

同じ立場におられる方から共感いただけるのは、とても励みになります。

> 「私はTOEIC教材なんてほとんど使いませんでしたけど」というセリフ、何度のど元まで出てきたことでしょうか。
>
> ただ一方で、自分自身がしてきた英語学習がTOEICスコアアップのために効率的であったかどうかはいまだによくわかりません。もしかしたら英語学習に費やした時間と労力をTOEIC教材を使う学習に充てていればもっとはやくに満点を取れていたかもしれません。

この辺りは、何が正解なのかわからないですよね。

TOEICだけ勉強してきた人って、多読や多聴の経験が少ないために底力が弱く、ちょっと難しい単語や表現なんかを問われたりしたときには、ボロが出てしまうようです。
その結果、このタイプの人は、一度満点を取っても、なかなか取り続けることができないこともあるようです。

TOEIC教材に特化することが満点の近道なのかどうかは、debatableな気がします。
満点取っている人の間では、TOEIC特化型の勉強をしてこなかった人の割合の方が多いようですし。


>TOEICに出てこないような単語やフレーズ、スラングを覚えたり、それらが出てくるドラマを見ること“それ自体”はスコアに直接関係してこないはずです。それに伴う英語学習の活動(英語を大量に聞く経験や、フレーズや単語を英英辞典で調べたり、関連ウェブサイトを英語で読むことなど)を通して英語力が上がり、結果TOEICでも良いスコアを取れたのだと思います。
> TOEICのスコアアップだけを目指しているのであれば、これは若干遠回りなのではないかとも思うのです。

Beyond TOEIC的な学習によって、TOEICで出るような範囲の限られた英語もついで網羅してしまうイメージでしょうか?

なんだかんだいって、「英語は英語」なので、「無駄な努力なんてない」というのが僕の考えです。

「TOEICに出ない英語は無駄」と排除してまうような心構えでいると、TOEICのスコア以上のモノは得られないパターンに陥ってしまうと思います。

TOEICで高いスコアは取れたけど、あまり英語を知らなかったり、ほとんど英語を使えないというタイプの人になってしまう危険性が高いですね。


> ただ、私の場合はTOEICだけを学習していたらおそらくそこまでの労力は使えなかったでしょう。TOEICに特化しなかったからこそ英語自体が好きになれたのだと思います。
> >TOEIC教材以外のモノも使って勉強した方が、逆にTOEICでも結果を出しやすくなる
> という考えに対する私の考えですが、単純にTOEICだけのことを考えて学習していけるだけのモチベーションがある方ならばTOEIC教材だけ使った方が効率はいいと思います。ただ現実的にそのような鉄人のような方は珍しいと思いますから、TOEIC教材以外も使った方が英語学習を継続しやくなり、結果「好きこそものの上手なれ」という言葉どおり、さらに英語が上達し、高得点も取りやすくなるのではないでしょうか。

これが一番大事なポイントですね。

「好きこそものの上手なれ」 
まさに、おっしゃる通りです。

TOEICの勉強だけをしていたら、英語をそこまで好きになれず、結果的に、そこまでの勉強時間を取れないということですね。

TOEICの勉強が「心底楽しい」という人は少数派ですから。

ほとんど人は、嫌々やっているということも多くて、「なるべく早く目標スコアを取って、TOEICの学習や受験を止めたい」と思っているんですよね。

このような状況では、「英語が好き」という気持ちは生まれず、むしろ、「英語嫌い」が増えてしまうのではないかと懸念しています。

ですが、もっと英語を好きになることができれば、おのず学習時間も増え、英語力が上がりやすくなります。

TOEIC教材だけをやって、「心から英語が好き」という状態に持っていくのは難しいので、それ以外のモノを使うことで、英語学習を楽しいものに変えることが大切だと思います。

もちろんTOEICの勉強もしっかりやりながらなので、負担自体は増えるのですが、それを負担と思えないくらいに英語学習を楽しいものに変えると同時に、ただ楽しいだけではなく、しっかり英語力がついて試験の結果にもつながるような方法を模索していく必要がありますね。

貴重なご意見ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。


> はじめてコメントさせていただきます。
>
> 記事を拝読して共感する部分が非常に多くありました。
> 私自身も英語を長い間学習してきましたが、確かにTOEICで高得点を取るのに特別TOEIC対策はしてきませんでした。
> 単純に単語暗記と音読を軸に英語力そのものを高めて取ったため、満点初取得当時はTOEICに使えるコツなどはほぼ知りませんでした。先生と同じくテレビドラマも多く見ました。
>
> 今では私も他人様に英語を教えるまでになりました。おこがましいかもしれませんが、お気持ちが非常によくわかります。
> 「私はTOEIC教材なんてほとんど使いませんでしたけど」というセリフ、何度のど元まで出てきたことでしょうか。
>
> ただ一方で、自分自身がしてきた英語学習がTOEICスコアアップのために効率的であったかどうかはいまだによくわかりません。もしかしたら英語学習に費やした時間と労力をTOEIC教材を使う学習に充てていればもっとはやくに満点を取れていたかもしれません。
>
> そのように考えてみると、TOEICに出てこないような単語やフレーズ、スラングを覚えたり、それらが出てくるドラマを見ること“それ自体”はスコアに直接関係してこないはずです。それに伴う英語学習の活動(英語を大量に聞く経験や、フレーズや単語を英英辞典で調べたり、関連ウェブサイトを英語で読むことなど)を通して英語力が上がり、結果TOEICでも良いスコアを取れたのだと思います。
> TOEICのスコアアップだけを目指しているのであれば、これは若干遠回りなのではないかとも思うのです。
> ただ、私の場合はTOEICだけを学習していたらおそらくそこまでの労力は使えなかったでしょう。TOEICに特化しなかったからこそ英語自体が好きになれたのだと思います。
>
> >TOEIC教材以外のモノも使って勉強した方が、逆にTOEICでも結果を出しやすくなる
> という考えに対する私の考えですが、単純にTOEICだけのことを考えて学習していけるだけのモチベーションがある方ならばTOEIC教材だけ使った方が効率はいいと思います。ただ現実的にそのような鉄人のような方は珍しいと思いますから、TOEIC教材以外も使った方が英語学習を継続しやくなり、結果「好きこそものの上手なれ」という言葉どおり、さらに英語が上達し、高得点も取りやすくなるのではないでしょうか。
> (これは先生のおっしゃる「TOEICの勉強をしながら、それ以外の教材もうまく取り入れた方が、700点台から800点台に伸ばすこともより容易になる」という点等と合致しないと思いますが、決してその考えがよくないと申し上げたいわけではありません)
>
> 私はまだまだTOEICスコア、英語力アップの良い方法を模索している段階で、的外れなことを言っているかもしれませんがご容赦ください。
>
> 長文大変失礼しました。
> 今後も先生のブログを参考にさせていただきます。

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