1週間後に迫ったICEEと2015年のICEEを振り返って



いよいよ1週間後の11/27(日)に迫った、今年のICEE(アイシー)。

ICEE (Inter-Cultural English Exchange)というのは、実は検定であると同時に、英語のコミュ二ケーション能力を競い合うトーナメントでもあります。


初参加でマグレ優勝した2013年から数えて今年で4回目となりますが、
やはり本番前は緊張してしまうものです。


ICEEは英語の実力者だけが参加する特別なイベントだと思われがちですが、
実は参加者の英語力は様々です。

同時通訳者や英語指導者のような英語のプロもいれば、
英語が専門というわけではない普通のサラリーマンや学生、主婦の方々も大勢います。


大体、英検2級レベルくらいの人が10%、準1級レベルくらいの人が20%、1級レベルくらいの人が40%、
1級超から英語プロレベルが30%という感じです。


一般的には、英語のプロや達人レベルの人が8割くらいいるようなイメージがあるかもしれませんが、実際には3割くらいでしかありません。


午後の部では、「同時通訳」というステージがありますが、
そのステージに進出する参加者12名のうち、実際に仕事などで通訳をした経験がある人というのは、毎回せいぜい4名くらいです。


一部プロの通訳者も混じる中、僕も含め、大半の参加者は素人です。
そして、アマがプロと同じタスクに果敢に挑むのがICEEの醍醐味でもあります。


普段やっていないのだから、それほどうまく出来なくて当たり前です。
その中で、持てる力を使って目の前のタスクに挑戦する。
しかも大勢の人が見ている前で。
こんなにプレッシャーを感じる状況は、日常生活ではなかなかありません。


僕は今では同時通訳の練習を自分の英語学習や澤田塾での指導にも取り入れたりしていますが、
3年前にICEEに参加していなかったら、遊びでも同時通訳というものにチャレンジすることはなかっただろうと思います。


実際、僕自身、通訳経験は皆無に等しく、正直、かろうじてICEEの同通ステージで1分間誤魔化しきれるかどうかくらいの実力しかありません。
しかも、どの1分間が割り当てられるか、という運次第です。


英語に堪能な多くの人たちがICEEを避ける大きな理由の一つに、
「同時通訳をさせられるから」というのがあると思います。
これは僕自身そうだったのでよくわかります。


未知への恐怖というより、出来ないことに挑戦して人前で恥をかくことへの恐怖。
これを克服するためには、まず一度恥をかいてみるしかありません。


僕自身、初参加した2013年のICEEの数ヶ月前、
松本道弘先生が主催する英語道場「紘道館」で、生まれて初めて同時通訳というものを体験するまでは、「そんなこと自分にできるわけがない」と思っていました。
(日曜日も仕事をするようになってからは、紘道館には久しく参加できていません)


紘道館のとある例会で、
「今から日本語でしゃべるから、カズと上田くん、同通して」と松本先生が一声かけると、
同時通訳者/実践英語指導者の横山カズさんと元通訳者/現医師の上田あきらさんは、
「はい」と言って、当たり前のようにスラスラと松本先生の日本語を英語に同時通訳されました。

僕はその姿を見て、雷に打たれたような衝撃を受けました。

それは、「憧れという名の敗北感」でもありました。


そして、その同通パフォーマンスに驚愕した直後、
「澤田くんもやりなさい」と松本先生。

「いやいやいや、僕は無理ですよ!」


そこで、人生初めての同時通訳を半ば強制的にやらされたのでした。

しかし、意外にも日本語から英語の通訳というのは、
やってみるとそれなりに形にはなったんです。


普段から翻訳者として日本語を英語に訳すことはしているので、
時間さえもらえれば、それなりの英訳を出すことはできるのですが、
英語をあまり速く話せない僕にとっては、発話の瞬発力が一番のネックになります。


ただ、後日やらされた英語から日本語への同時通訳では、
思いっ切りボロが出て、散々恥をかくことになりました。


でも、この「恥をかく」ということが、変化、成長するためには不可欠だと、
そのとき身をもって経験しました。


今では、「恥をかく」経験をすることを、生徒さんをはじめ、
僕が期待をかけている多くの人たちに奨励しています。(←迷惑オジサン?)


最初は新しい挑戦に尻込みしてしまう人が多いのですが、
僕が声をかけて一歩踏み出した方からは、「勇気を出して飛び込んでみてよかった」という感想をよくいただきます。

指導者として自らがそういう姿勢を見せるとともに、
多くの人に一歩踏み出す勇気を与えるべき立場にいると感じています。


ICEEに話を戻します。

そんなこんなで2013年のICEEを迎えたわけですが、
やはり同時通訳は不安でした。


留学経験者や帰国子女などのような方と比べて耳が弱い僕にとっては、
特に、英語から日本語への通訳に苦手意識があります。

英語が聞こえてこないと、頭が真っ白になってしまって、
無言になるか、とんでもない誤訳を連発するかのどちらかになります。


でも、幸運なことに、2013年、2014年、2015年と、
ICEEの同時通訳ステージでは、なんとか文字通り「誤魔化し切る」ことができ、
3年連続で、準決勝の「交渉」、決勝の「ジャーナリスティックインタビュー(対談)」まで進むことができました。


2013年には横山カズさんと決勝を戦ってマグレ優勝しましたが、
2014年には安河内先生に完敗し、準優勝という結果でした。
そのときの記事はこちら⇒ICEE 2014を振り返って


そして、昨年2015年のICEEでも、運良くファイナルステージまで進出することができましたが、
優勝されたのは、トーストマスターズ(英語スピーチコンテスト)の日本チャンピオン、田村直樹さんでした。


ICEE2015ファイナリスト


優勝者の田村さんは、その年の8月に行われたトーストマスターズの国際大会で日本人として初の上位入賞を果たされたほどの超実力者で、英語で聴衆の心を掴み取るパフォーマンスは、多くの見学者が「芸術的」と評するほどでした。


実はICEEの1週間ほど前に、ラスベカスで開催されたトーストマスターズの国際大会を遠隔中継するイベントに参加し、僕はそこで田村さんの活躍ぶりを見ていました。


そのとき、僕はまた雷に打たれたような衝撃を受けました。

それは3年前に横山カズさんの同時通訳を垣間見て、
「憧れという名の敗北感」を味わったのにも似ていました。


世界の大舞台で、ネイティブスピーカーのスピーチの達人たちに混じって、
日本人として堂々と英語でスピーチし、観衆の心をわし掴みにしている田村さんがそこにはいました。
(そのときの田村さんのスピーチの動画がないか、現在リサーチ中です)


そのスピ―チの内容には踏み込みませんが、込められたメッセージは僕がICEEに対して抱いている想いとまったく同じでした。

「目の前のチャレンジから逃げない」


それが田村さんの生き方そのものでもあると感じました。
常に自らにチャレンジを課して、ストイックに自己を磨き続ける。

心動かされやすい僕は、田村さんのようになりたいと思って(←ミーハーですw)、
トーストマスターズに入ることを真剣に検討したのですが、
土日に働いている僕には難しいことがわかり渋々諦めたという経緯があります。

でも、「いつか自分も挑戦してみたい」という気持ちは今でもあります。


そんな憧れの田村さんと決勝に残れただけで、僕は大満足でした☆


実際、僕にとっては、勝つとか負けるとかはどうでもいいことだったりします。


ただ、昨年は初めて澤田塾の生徒さんをICEEに招待した年でもあったので、
決勝まで残ることには大きな意味がありました。


セミナー参加者も含めて、6名が出場し、見学者も6名いました。
ツイッターなどでも大々的に告知していたので、フォロワーの方々も10名くらい見学されていました。


そういう意味では、いつもよりもプレッシャーは大きかったのですが、
だからこそ、僕は自分が挑戦している姿を見せることに意義があると感じ、
それによって逆に勇気をもらえたような気がします。


僕がICEEに参加する目的は、よい結果を残して、実力を証明したり、みんなの前でいいところを見せたりするためでは決してありません。


実際、僕の英語というのは人が感心するほどうまいわけではありません。
純粋な英語力という観点では、毎年参加者の中でトップ10に入れるかどうかという微妙な位置にいます。
(ICEEは英語力だけではなく、冷静さ、機転、勝負強さ、運など、色んな要素が絡んできます)


また、自分の進歩を測るためでもありません。
むしろ痛い目に遭って実力不足を痛感するためです。


実力不足を痛感するためということは、それをバネにして一層努力するという目的があることになりますが、実はそれとは矛盾した意図もあります。

それは、まだまだ実力が足りない部分やダメな部分も含めて、「今の自分を受け入れる」ということです。


「もっとうまくなりたい」という向上心は常にあるものの、
ICEE本番では、自分の現在の能力を受け入れて、今持っている武器で戦うしかありません。


その状況で、「もっと英語がスラスラ話せたらなぁ」とか、「もっと色んなことについて見識があったらなぁ」などと願っても仕方ないわけで、
持てる能力と知識で目の前のタスクに挑戦するしかない。


そういう意味で、「今の自分を受け入れる」ということがICEEでは必要になると思っています。

唯一できることは、「自分の英語、手持ちの武器を最大限に駆使して、何ができるか?」ということを考えることだけです。


あと、もう一つ、僕がICEEに参加する上で大事にしている考え方が、
先程の田村さんのエピソードでも触れましたが、
「目の前のチャレンジから逃げない」ということです。


ICEEなんて、日本で行われている、ただの英語イベントにすぎないのですが、
多くの人は恐れおののいて参加しようとはしません。

実を言うと、僕自身もそうでした。


「まだ実力不足で準備できてないので、今回は参加を見送らせてください」

2013年にICEEに初参加・初優勝する前に、僕が散々逃げようとして言っていたセリフです。


そして、それは、僕自身がICEE参加を勧める立場になって以来、多くの人から言われ続けているセリフでもあります。


僕のデフォルトの反応は、「恥をかくことへの恐怖」でした。


それが今では、「恥をかくため」に、ICEEに参加するようになりました。


そして、この「恥をかく」という行為は、実は僕のような指導者的な立場にいる人間にとっては、自分自身だけの問題ではないんです。


僕は、「恥をかく」=「自分の至らなさを見せる」だと解釈しているのですが、
それは指導者として模範を見せる上で非常に大事なことだと考えています。


僕はTOEIC対策講座も含めて、全てのクラスやセミナーの冒頭では、いつも英語でスピーチすることにしています。


完ぺきな英語を披露して、生徒さんをinspireするためでは決してありません。
むしろ、その逆です。

ちょっとたどたどしさもある、そこまで上手いとも言い難い僕の英語をあえて生徒さんたちの前で晒してしまうことで、「完ぺきじゃない英語を話してもいいんだ」と、励みにしてもらうことを意図しています。


だから、僕はICEEでも自分の不完全な姿(imperfection)を人前で晒してもいいと、開き直っているわけです。


「あの程度の英語力でICEEの決勝まで行けるのなら、自分だってできるんじゃないか」

そう思ってもらえたら本望なのです。


だから、「恥をかく」というのは、実力不足な部分も含めて、等身大の自分を晒すこと。
自分を受け入れて、今の実力で勝負することなのです。


このように、ICEEを通じて、「目の前のチャレンジから逃げない」という精神を培えたことは、
人生においても大きな意味を持つと思っています。


たとえ心の準備ができていなくても、チャンスが巡ってきたら、恥や失敗を怖れず、飛び込んでみる。


人生で何か大きなチャレンジに遭遇して、ひるみそうになったとき、
「オレはICEEに出る勇気があるんだから、これだってできるはずだ」
「こんなのICEEの同通ステージと比べたら、大したことはない」
そう自分に言い聞かせるんです。


このような姿勢を持てるかどうかで、人生は全然違ったものになると信じているからこそ、
僕はICEEに参加するわけです。


そして、ICEEは、同じような想いや姿勢を共有する全国の仲間たちと年に一度交流できる絶好の機会でもあります。
ある意味、同窓会のようなものですね。

と同時に、新たな出会いの場でもあります。


If you’re brave enough to take on a new challenge, come to the ICEE.
If you’re not ready yet, you can just observe the event.

Either way, you won't regret you did.



ICEEの詳細の確認および申込はこちら⇒http://kokucheese.com/event/index/396550/

出場する場合には、事前申込が必要ですが、
見学は当日会場で受付しても大丈夫だそうです。


ICEEに対する不安や緊張を少しでも和らげるために、
急遽、11/23(水祝) 15:00-19:00に澤田塾でICEE体験イベントを開催することにしました。
ICEE参加を決めている、あるいは、迷っているけど、興味はあるという方は、ぜひ気軽にご参加ください。

参加費: 1000円

定員: 8名 (満席)

場所: 澤田塾の教室

map.jpg

東京都渋谷区渋谷3-5-16 渋谷3丁目スクエアビル2F

渋谷ヒカリエがある側の出口です。

お申込みは、こちらのアドレスまでお願いいたします。

toeicteacherkenjisawada@gmail.com


澤田塾 澤田健治

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コメント

楽しみにしています
澤田さん、

いつも楽しく励みになる記事を有難うございます。
今年も、昨年に続いてICEEを見学させて頂く事を心待ちにしております。
参加者皆さんの、あの真剣勝負的な雰囲気はとても刺激になります。
また、澤田さんのご活躍を陰ながら祈念致しております。

Shin

Re: 楽しみにしています
Shinさん、

いつもありがとうございます。

今年もICEEを見学されるんですね。
もしタイミングが合えば、ぜひ会場でお声かけください。

結果はどうあれ(←あまり拘ってないので)、
僕も純粋にあの独特な雰囲気を楽しみたいと思っております。


澤田


> 澤田さん、
>
> いつも楽しく励みになる記事を有難うございます。
> 今年も、昨年に続いてICEEを見学させて頂く事を心待ちにしております。
> 参加者皆さんの、あの真剣勝負的な雰囲気はとても刺激になります。
> また、澤田さんのご活躍を陰ながら祈念致しております。
>
> Shin
お疲れ様でした
澤田さん、

昨日はお疲れ様でした。
会場でお声がけさせて頂くタイミン
グを逸してしまい残念でしたが、ディベートは近くで拝見させて頂きました。
また、「勝負は時の運」という事も
改めて感じさせられました。
今年は、ICEEへの若い方の参加者
や見学者も更に増えて、会場が広くなったことを感じさせないほどの熱気の有るイベントでした。
最後に、澤田さんの今後更なるご活躍を心から期待致しております。
有難うございました。

Shin


Re: お疲れ様でした
Shinさん

温かいコメントをありがとうございます。

会場ではなかなか声をかけるのは難しいですよね。
参加している競技に集中しているか、他の人の競技を真剣に見ているかのどちらかなので。

ぜひ来年もご見学、またはご参加いただけたら嬉しいです。

僕もまた修行し直してきます。

澤田



> 澤田さん、
>
> 昨日はお疲れ様でした。
> 会場でお声がけさせて頂くタイミン
> グを逸してしまい残念でしたが、ディベートは近くで拝見させて頂きました。
> また、「勝負は時の運」という事も
> 改めて感じさせられました。
> 今年は、ICEEへの若い方の参加者
> や見学者も更に増えて、会場が広くなったことを感じさせないほどの熱気の有るイベントでした。
> 最後に、澤田さんの今後更なるご活躍を心から期待致しております。
> 有難うございました。
>
> Shin

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