英語の海を泳ぐ

前回の記事「試験勉強からの脱却」では、800点を超えた人でさらに上を目指している人は、TOEIC対策に加えて、英語の海を泳ぐことに取り組まれた方がよいというお話をさせていただきました。

英語の海を泳ぐというのは、「多読」と「多聴」を実践することと同義です。

それは「英語に触れる量を増やす」ということでもあります。

800点を取っている人と900点を取っている人の差は何でしょうか?
あるいは、英検準1級の人と英検1級の人の差は何でしょうか?(こちらの方が断然差が大きいですが)

一言でいうと、触れてきた英語の量の違いです。

このレベルになると、解いた問題集の数とか、覚えた単語集の数とか、そういう話ではありません。

試験対策という枠を超えた英語との接し方の違いです。

ここで、恐縮ですが、僕の個人的な経験談をさせていただきます。

僕自身、TOEIC600~700点で、英検準1級に何度も落ちていた大学2年生くらいまでは、「英語の勉強=問題集を解くこと」だと信じて疑ってませんでした。

しかし、大学3年になる前の冬休みに1カ月間アメリカにホームステイをして帰国した時には、TOEICや英検で結果を出すことはもちろん意識していましたが、何よりも、「本物の英語を理解出来るようになる」「ネイティブみたいに英語を話したり、書いたりできるようになる」ということを目指そうと心に決めていました。

「現代英語が100パーセント分かって、ある程度自分でも使える」という状態に持っていけば、その過程でTOEIC900点も英検1級もおのずと達成されるだろうと考えていました。

ですので、実力があまりないにもかかわらず、志だけは高く、アメリカで買ってきたAmerican Beautyという映画のビデオをわけもわからず見ていました。
当時は大学のバスケット部に所属していて、寮暮らしだったのですが、「ジュリー(名前が名前なのでこんなあだ名が)、字幕なしで見て、ホントにわかってんの?」ってルームメイトに訊かれると、「いや、あんまわかんないんだけど、見続ければ、そのうちわかるようになんじゃねーかと思って見てるだけ」と答えてました。

また、「ネイティブが読めるものは自分も読めなければならぬ」という強迫観念みたいなものに駆られ、自分の実力に合わない小説とよく格闘していましたが、「ジュリー、そんな英語の本ホントに読めてんの?」ってルームメイトに訊かれると、「いや、あんま読めてないんだけど、読み続ければ、そのうち読めるようになんじゃねーかと思って読んでるだけ」と答えてました。

常に目標として見据えていたのは、「ネイティブが楽しんでいる英語の世界を自分も楽しめるようになる」ということでした。

今思うと、戦略を欠いていましたが、背伸びをしながらも、とにかくがむしゃらに英語を読みまくり(小説や英字新聞が中心)、辞書も引きまくり、映画や海外ドラマ(特にFriends)を英語音声・英語字幕で見まくり(ちょうどDVDが普及した時期でした)、毎回欠かさずラジオ講座も聞き、さらに問題集を解いたり、単語集を覚えたりという学習的なこともやりました。

つまり、試験勉強的なことだけでなく、日々英語の海を泳ぎ、本物の英語に大量に触れていました。

その結果、TOEIC700点から900点までは1年くらいで一気に駆け抜けることができましたし、英検1級にも大学を卒業する前に合格することができました。

この経験から言えることは、TOEIC700~800点、英検準1級までは、試験対策だけで乗り越えられないこともないのですが、「英語の海を泳ぐ」=「大量の英語に触れる」ことなしでは、TOEIC900点や英検1級を達成することは難しいということです。

僕の場合は、目標をTOEIC900点や英検1級よりも高いところ、つまり、「ネイティブが楽しんでいる英語の世界を自分も楽しめるようになる」というところに置いていたために、逆にこれらの試験をクリアするのが早くなったのではないかと思います。

経験談はこれくらいにして、話を前に戻します。

TOEIC800点の人と900点の人、英検準1級の人と1級の人の差がどこにあるのか、お分かりいただけたかと思います。

触れてきた英語の量の差です。

たくさんの英語を読んだり聞いたりしていれば、さまさまな単語や表現に遭遇し、未知なものが少なくなるので、当然語彙力も付きます。また、すでに知っている単語や表現にも何度も出くわすことになるので、その使い方もだんだん分かるようになっていき、ライティングやスピーキングの際に、自分でも使えるようになります。

ですので、多読や多聴は、単にリーディングやリスニングのような受信的な能力を高めるためだけでなく、ライティングやスピーキングといった発信能力の土台を築くためにも、不可欠な学習プロセスなのです。

次回の記事では、どのような形で多読や多聴を実践していけばよいのかということについて、少しでも役立つ情報をお届けできたらと思います。


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